鏡を見ることの効用

疲れたとき、雑念で思考がまとまらないとき、鏡で自分の顔を見るようにしている。自分の顔を見ると、自我の統一が得られて安心するような気がしている。
先日、人の面前で強い顔面のかゆみが起こり、自分の顔が炎症でひどくただれているという想念に襲われた。狼狽して鏡を見に行くと、私の顔はそれほどひどいことにはなっていないと分かって安心した。自身の容貌に対する一時的な認知の歪みが、鏡に映る実際の姿を見ることで是正されたのである。
この例では鏡で自分の顔を見ることの目的と結果が一致しているが、鏡で自分の顔を見ることが一般にストレス解消になるという研究については以前に聞いたことがあった。幸いなことに私の顔はそれなりに整っているので、ストレスを感じずに長いあいだ眺めていられる。そうでなくても、人間は自分の顔というゲシュタルトを通じて統一感を取り戻すことができるようだ。統一した自己像を持続的に有しているのが人間の特徴であり、この自己像がくずれた状態がいわゆる統合失調症である。
自分の顔を見ることが自我のイメージを取り戻すことに役立つのと同様に、親しい人の顔を見ることもまた心の安定につながっていることは誰もが認めるところだろう。家族であれパートナーであれ、愛する人と毎日顔を合わせることが心理的安心をもたらすのは、それによって生ずるコミュニケーションへの期待からだけではなく、単純に調和のとれた視覚的効果によるところもありそうだ。
それができないうちは、鏡で自分の顔を見ることでもある程度用が足せるのではないかと思う。単純なトリックだが、意外と効果があるかもしれない。神経科学者のラマチャンドラン博士は、脳卒中の後遺症である半身麻痺のリハビリに、鏡を使った簡単な仕掛けが使えることを発見した。
それと同じようにして、私も鏡を見る自分の中にもう片方の自分を発見する。あなたが鏡を通して見る顔を、誰かが同じように見つめるだろう。その誰かがあなたの顔を見つめて安心するように、あなたもあなた自身の顔を見て安心することができる――あなたがその誰かのことを、あなた自身のように感じる限りにおいて。

DPR Live「Jasmine」に使われてるあのギターリフの出典を追う

他のアーティストのトラックからサンプルを抜き出し、ループとして利用する「サンプリング」という手法があります。もともとはヒップホップの文化でした、今やR&Bをはじめ世界のポップミュージックで採用されています。

日本ではサンプルそのものをループにすることはあまりなく、かわりによく知られたいくつかのコード進行がギターに使われていたりします。椎名林檎の「丸の内サディスティック」で使われているコードが、Grover Washington Jr. の「Just the Two of Us」を元ネタとしていることは、洋楽に対する彼女の造詣の深さを示すエピソードとしてあまりに有名です。

www.youtube.com

www.youtube.com

ところで、私には以前から気になっているサンプルがありました。それは DPR LIVEという韓国のアーティスト(プロデューサーはCODE KUNST)の、「Jasmine」という曲のイントロで使われているギターリフです。

www.youtube.com

この気持ちのよいギターリフはすぐに有名になったらしく、韓国のヒップホップ・R&Bアーティストがこれに続きました。たとえばHoodyの「Love Again」。

www.youtube.com

日本においては、ちゃんみなの「ボイスメモ No. 5」で聞いたことがある方もいるかもしれません。ちゃんみなは自身のルーツから韓国ポップ音楽の影響を受けていると思われ、おそらくこの曲も「Jasmine」のギターリフにインスパイアされたものと考えています。

www.youtube.com

さて、こうしたサンプル元・サンプル先の情報は WhoSampled というサイトに載っていることも多いのですが、「Jasmine」についての情報はありませんでした。

仕方がないので「dpr live jasmine sample」などでGoogle検索していると、同じサンプルを使っている曲を集めたYouTubeプレイリストが見つかりました。確かに同じギターリフが使われている。

www.youtube.com

で、この中の動画のコメントにはやはり同様のコメントが寄せられており、それに対して「両者は同じサンプルを使っているが、Jasmine が最初というわけはない」というリプライもついていました。

そして、その中に探していたサンプルの出どころはありました!

Hyewon Jeong
2 年前
https://splice.com/sounds/splice/electric-soul-guitar-loops-and-riffs-by-treehouz This is the sample used in both songs 

 Splice というサンプル配布サイトにある「Electric Soul - Guitar Loops and Riffs by Treehouz」というサンプルパックにそれは含まれているようです。サンプルを確認するには有料会員になる必要があるらしく、この中のどれかはまだ特定できていませんが、ひとまずサンプルの出所がわかったので私としては満足しました。

同じような人が他にもいると思うので、エントリとしてまとめておきます。

2020年7月 支出振り返り

先月とほぼ変わらないですね。

費用計 201,317円

f:id:silloi:20200806143554p:plain

 

小計

食費 26,963円

先月とほぼ同額ですね。オフィスに出社しないといけなくなったので多少そこで増えているかもしれない。

交際 7,522円

コロナ第二波の影響か少ないです。

文化 5,054円

カラオケで作業することが多かったのが影響してます。

交通 12,970円

定期を買う羽目になってしまいました。払い戻したらいくらか返ってきます。

住居 67,000 円

共益費のまとめ払いが含まれています。

書籍 2,650円

結構買った気がしてたんですけどそうでもなかったですね。

備消 20,602円

Amazonで何やかんや買ってたみたいです。

購読 11,544円

Spotifyの年間プランを契約しました。

旅費 44,280円

名古屋に行きました。宿は安くて良いところに泊まれたんですが、行きのバスが渋滞に巻き込まれた上に車両故障で海老名SAで止まり、そこから二時間半動かなかったんでタクシーと新幹線に乗った影響が効いています。あと帰りに使った青春18きっぷもなくしたかもしれない。

医療 10,716円

薬代とコンタクトレンズ代ですね。

雑損 2,732円

現金が結構消えてました。

総評

思わぬ出費がありましたがそれを含めても20万なので平常運転でいけたと思います。8月はお盆休みですがどうなるでしょうね。

サボテンを自室に導入した

東京で一人暮らししたらサボテンを部屋で育てるのが夢だったんですが、本日ついに自室に導入するに至りました。

亀有駅の南側、肉のハナマサの少し手前にkinariという園芸ショップがあり、そこでサボテンを陳列してあるのでいつも眺めては通り過ぎていました。

f:id:silloi:20200712191048j:plain

今回、「銀エボシ」と書かれた品種にピンとくるものがあり、サイズも値段もお手頃だったので店員さんの 話を聞きながら購入しました。

f:id:silloi:20200712191105j:plain

帰るときに翼(?)を傷めないよう丁寧に持ち帰りました。

f:id:silloi:20200712192109j:plain

自然という外部性が自室に持ち込まれたみたいで新鮮な心地がします。自室は北向きで日当たりが悪いのですが、それでも出窓のようになっているので枯れることはないと思います。月一回の水やりを丁寧にやっていきたいです。

f:id:silloi:20200712190928j:plain

2020年6月 支出振り返り

コロナ以前に戻りました。

費用計 203,421円

f:id:silloi:20200704112456p:plain

小計

食費 25,356円

最初の一週間は実家にいたので、それなりに出てますね。

交際 14,060円

こちらもそれなりに払ってます。1回6000円は大きいイメージがある。

文化 6,400円

Affinity Publisher/Photo がこっちに計上されてますが備品・消耗品費の方がいいですね。

交通 11,020円

通勤費を含みます。

住居 64,000 円

水光熱費がどんどん高くなっている。

書籍 3,706円

このうち3000円ちょっとは経費で戻ってきます。あと本をセールで4冊買いました。

旅費 37,197円

名古屋に遠征したので、その行き帰りと宿泊費、イベント参加料をここに含みます。

 

備消 28,982円

Amazonで何やかんや買ってたみたいです。

購読 1,744 円

こんな安かったっけ?

医療 10,716円

薬代とコンタクトレンズ代ですね。

雑損 265円

今回は消えた現金が少なかった。

総評

今回は名古屋に足を伸ばしたのでその分出費が出ているが、コロナ以前に戻ったとはいえだいたい20万円に収まっているし問題なし。毎月の安定した貯蓄ペースを築けているが、資産運用にもこれを回したい。8月は今のところ大きな旅行の予定もないので、例年よりやはり出費は抑えられそうだ。

TikTokで動画2本がバズったことに対する覚書

f:id:silloi:20200626004942j:plain

昨晩、渋谷でスーパークレイジー君こと西本誠・東京都知事候補の街頭演説を見て動画に撮ったので、帰りの電車でTikTokに上げておいたら翌朝2, 3000回再生いっていた。

このときTikTokの他の動画もザッピングしてみるといくつかのバイラルソング、例えばPsyの「Gentleman」が流行っているらしかったので、2月の韓国旅行で撮った同曲のダンス動画を「#腰振りダンス」のハッシュタグをつけてアップロードしたところ、こちらも一時間で1000再生を軽く超えた。

そしてスーパークレイジー君も超えた。

結果的には26日0時現在どちらも数十万回再生に達している。これはバズが起こりやすいTikTokでもそれなりにバイラルな方に入るらしく、TikTokから以下のような特別インビテーションまで届いた。

TwitterYouTubeに続きTikTokもバズったので、動画コンテンツ主体のSNSはだいたい制覇したことになる(Instagramを除く)。

silloi.hatenablog.com

さて、バズった過程でフォロワーも1日で1000人以上増えたのだが(これは自分の数年来のTwitterフォロワー数を軽くしのぐ)、フォロワーやコメントしてくるユーザー層には自分が従来利用してきたSNS、特にTwitterとはかなり異質だと感じたので、そのことを本エントリでメモしておく。

十代女性の投稿者が目立つ

 

これは多くの説明を要しないだろう。おそらく人々のイメージ通り、TikTokには十代後半から二十歳にかけての女性ユーザーが多い。それだけでなく、将来その層を形成するであろう十歳前後の女子児童もTikTokのユーザーに含まれている。彼らの中からトレンドに合わせて自身の動画を上げる者も現れるが、これが後述の理由によりユーザーによって歓迎される音で比較的簡単にバズる。このような好循環により十代女性による動画が、少なくとも日本のTikTokでは主なコンテンツとなっている。

規制されない程度の微エロ要素

こうしたコンテンツを消費する層は、やはり男性ユーザーによって主に構成されている。しかし他のSNSとおそらく異なるであろうことは、彼らの年齢層もまた十代と比較的に低いことだ。もちろん動画と違って彼らユーザーの年齢を直接確認できたわけではないが、性的好奇心を無邪気に述べるコメントからは彼らがそうした興味を持ち出す年齢、すなわち中学生かあるいは小学校高学年であることが容易に察せられる。そして彼らのようなユーザーにとって、若い女性の胸や下半身といったコンテンツが消費の対象になっている。従来のSNSと同様に、こうしたコメントや「いいね」が数字に変換される限りにおいて、こうしたユーザー層の存在は前述の投稿者層に承認を与え、ますます動画を投下するよう促進している。

アジアを中心とするユーザー層

こうした状況は少なくとも日本語圏において確認されたが、TikTokのユーザー層は日本だけではない。私のアップロードした動画、特に韓国で撮影した動画については、まず日本語圏でバズが生じたあと、まず韓国語、続いて中国語(簡体字繁体字とも)など東アジアからのコメントが増え、さらにラテン文字による言語(インドネシアか?)やアラビア語インドネシアやマレーシアと思われる)と東南アジアに広がっていき、最終的にはロシア語のユーザー名やラテン系に見える女性のアイコンまで見られるようになった。投稿自体は日本語で、ハッシュタグに韓国語や英語を含む程度だったのに、ここまで世界各地のユーザーに動画が届けられることは、TwitterFacebookなど他のSNSではめったに起こらないのではないか。

曲とテーマの組み合わせ

このような強力な拡散を後押ししているのが、こうした言語圏をまたぐいくつかの動画トレンドの存在である。トレンドにはいくつかの種類があるが、バイラルソングと一定の振り付けを組み合わせたものが強力に作用する。バイラルソングには中国語や韓国語のタイトルがついているものが多く見られ、その多くがいわゆるEDM(ハウス、トラップなど)である。今回の動画で使われた「Gentleman」もその一つであるが、曲自体は数年前にバイラルヒットしたものである。そして振り付けは単なるダンスだけでなく、体操(微エロ要素を含む)や文字・スタンプを利用した手振り(質問回答系)、さらには顔芸や体芸など人目を引きつけるあらゆる身振りが対象となりうる。これらの中で言語による要素が少ないものほど、当然ではあるが国際的にバイラルするポテンシャルが高くなるようだ。

以上、とりあえずバズってすぐに感じられたものについて簡単に考察した。ここから第二第三の矢を放ってバズが継起するかは今のところなんとも言えないが、ともかくも面白い体験にはなったので今後も観察を続けていきたい。

 

Udemyの実践AWS講座を履修し終えた

 GWにUdemyがセールをしているのでAWS認定ソリューションアーキテクトの講座を買ったと桐生あんずが言っていたので、Udemyいつもセールやってんなと思いつつ以前からやってみようと思っていたAWSの実践講座と認定試験の講座を購入した。

 週末に時間があったら一日1/6くらいずつ進めていたが、今日ようやく最後まで終わった。

www.udemy.com

 講師が京大出身で親近感があったのと、内容自体も筋道だっていて良教材だと思ったので、インフラやったことない人はやるといいと思います。勉強になりました。

f:id:silloi:20200607205002j:plain