佐々木典士『ぼくたちは習慣で、できている。』を読んで生活をオート操縦にしている

佐々木典士典んの『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニマガジン)を読んだ。

ぼくたちは習慣で、できている。

ぼくたちは習慣で、できている。

 

Twitterでphaさんとかが紹介していたので、Amazonで注文したら翌日に届いた。

人間の意志なんてものは感情によって脆くも崩れ去るものなので、生活に取り入れたいと思うものは習慣にして意思決定せずともやる状態にしましょうという本で、第三章ではそのための具体的な方策が文学作品などからの引用とともに50個挙げられている。

意志力あるいはウィルパワーという言葉は以前メンタリストのDaiGoさんとかも書いてて、そこでも「意志力を鍛える」ことと同時に「意志力を節約する」ことが説かれていたっぽい。

自分を操る超集中力

自分を操る超集中力

 

oreno-yuigon.hatenablog.com

『ぼく習』によると、この意志力は感情の浮き沈みによって左右されてしまうので、これを鍛える代わりに習慣にしてしまうことで意志力に任せなくてもいいようにしよう、ということになる。

人々の生活に根付いている習慣については靴下を穿く例とかが挙げられているが、僕の中では学校に行くことや宿題をすることがそれだったなあと思い返される。

少なくとも小中学生くらいまで、僕は学校に行くのが嫌だったんだけど、そんなこと親には言えないとかもあって、「学校に行かない」という選択肢がなかった。つまり、「学校に行くか行かないか」という選択で迷うことがなかった。だから学校に行くことの負担が最小限に抑えられていたのだと思う。ここで母親に「今日は自分の判断で行かなくてもよい」という例外を教えられてたら、逆に行くかどうか迷ってしんどかっただろうなと思う。高校生になってからは行きたくないという気持ちがそもそもなくなり(抑圧され)、気づいてみれば皆勤賞をもらった覚えがある。

宿題をやるのも同じで、僕は幼稚園の頃から公文式に通っていて、基本的に毎日宿題プリントをやっていた。これも毎日やるものだと思っていたので、母親が「今日はやらなくてもよい」と言うことがない限り、嫌々ながらも毎日取り組んでいた。おかげさまで進度は常に三学年先を行っていたし(公文式では「三学年先」というのが一つの到達目標なのである)、ご覧の通り大学にまで来ることができた。

このように、習慣にするとよいことはあって、それによって能力を伸ばせたり、健康を増進できたりする。しかも、習慣それ自体にも効能があって、心を調律してくれたり(以前「ルーティーン」という言葉で流行)、その行為を成し遂げた後に大きな報酬が得られたりする(仕事の後に飲むビールはうまい)。

しかしながら、人間にはどちらかというと悪い習慣の方が多くて、常々これをやめたいなあと我々は思っている。一度寝たら気が済むまで寝てしまうとか、腹いっぱいになるまで食べるとかがそれである。とはいえそれも習慣であることは同じで、原因となっている要素を別のものに置き換えれば悪い習慣を断つこともできる。つまり習慣の原理がわかれば、悪い習慣をやめることにも役立つ。

人間は楽な方へと流れていってしまうので、その流れ着く先をよい習慣にしよう。そのためにトリガーとなる出来事を置いたり時間や場所を決めたりしていると、結果として一日のスケジュールが定まってくる。一続きの習慣として、毎日が組み立てられるようになる。ここまで来ると意志力をすり減らすことなく、自由時間をクリエイティブな活動に使えてめっちゃよさそう。

僕も最近習慣にしていることがいくつかある。一つは朝の早起き。三週間の教育実習のあいだ朝六時半起きをやっていたので、休みの日もその時間に目が覚めるようになってしまった。悪い習慣ではないので、その後もアラームをセットしたままこの時間に起きるようにしたら、夜になると明日朝早く起きないとと思って、明日の予定にかかわらず早めに布団に入るのでよい。ただ六時間程度の睡眠だと足りないみたいで、昼間とかちょっと眠くなってしまうので改善の余地はありそう。

もう一つはボクシングジムに通うことで、こちらは半年近く続いている。最近は週に二回、一時間半から二時間程度で安定してきた。以前ブログに決意表明したこともあり、最初の一、二ヶ月くらいは割と持っていたのだが、年度が変わったり教育実習が入ってきたりして時間が押してきたときに、「今日は行かなくてもいいのではないか」みたいな念が入ってきて危なかった時期もあった。しかし週に一度は行くことにしていたのと、この時にはすでに「帰る頃には気持ちよくなっている」ことがわかっていたので、なんとか続けることができた。最近はメニューや回数、曜日や滞在時間を固定することで意志力の障壁を下げることにも成功している。なによりジムに行くと強制的にアドレナリンが出させられるので体調が良くなるし、あと帰ってきてから飲むプロテインが本当にうまい。目に見える結果も出てきて最高という気持ちになる。

こういう具合に暮らしを設計していくと、余計な意思決定にエネルギーを使わなくて生活がかなり楽になっていく気がしてきた。そういや以前に毎日無印の同じ服を着るエンジニアの人とかがTwitterで話題になってたけどそれも同じことで、『ぼく習』の佐々木さんは自分で作る食事も数メニューで固定されててすごい。自分もどちらかというと単純な繰り返し作業に安寧を感じる側の人間なので、この調子で生活をオート操縦にしていきたい。そうして早く自分自身がルーティーンになりたい。

ぼくたちは習慣で、できている。

ぼくたちは習慣で、できている。