2019年に聴いて良かった K-HIPHOP / R&B アルバム7選+α

あけましておめでとうとざいますシロイです。2019年のうちに書けばよかったネタがいくつかあるので放流していきます。

昨年は自分が聴きたい音楽が韓国のヒップホップやR&Bであることを自覚したので、移動中や仕事している時間を中心にいろいろな楽曲を聞くことができました。その中でも気に入ったものはずっと聴いていて、自分の場合はそれがアルバム単位であることが多いです。

そこで2019年特によく聴いていたアーティストのアルバムを紹介します。この中には日本語圏での情報がほとんどないレアものもあります。

 

7. Enchanted Propagannda / Jvcki Wai (2018)

ジャンル:HIPHOP

韓国のフィーメールラッパー、ジャッキー・ワイ(자키와이)の一番新しいアルバムです。最初に聴いたのはGIRIBOYプロデュースのDDING(띵)で、最初子供か何かが歌ってるのかと思ってアーティスト名で調べたら完全に好きな顔で卒倒しました。

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声が特徴的なんでコラボしているのがちょうど良くて、このアルバムは全部彼女が歌っているんですが、さすがにちょっと聴いていてしんどいところはあります。『Exposure』とかSoundCloudに上がってるもう少し前の曲聴いてみるとそれほどクセ強くもなかったんで、ラッパーとして生き残るための戦略だったのかなあと思います。

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日本への進出はLuteプロデュース、PARKGOLF作曲の「xaradise」ででしたが、ルーテ倒産しちゃいましたね…。とても残念。

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6. Coming To You Live / DPR LIVE (2017)

ジャンル:HIPHOP

DPR LIVEの一番最近のアルバムです。DPRというグループがはじめにあって、DPR LIVEはそのうちの一人という立ち位置らしいです。「Martini Blue」とかは聴いたことある人もいるんじゃないでしょうか。

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ここ数年のキーワードで「メロウ」というものがありますが、DPR LIVEはそのメロウを代表するアーティストだと思います。僕はこの「Jasmine」とか特に好きですね。

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歌詞も切ないものが多いですね。切ないと言ってもbacknumberやOfficial髭男dismみたいな「モテない男」のキモい切なさじゃなくて、「モテる男」のサラッとした切なさなんですよね。女には困ってないけど、君のことは特別(であってほしい)、みたいな。

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新しい気がするけど、このアルバムももう3年前。最近は目立った活動がないので寂しいですね。

 

5. boy. / offonoff

この流れからだと紹介しなきゃいけない(?)のはオフオンオフ(오프온오프)です。韓国のSoundCloud世代アーティストたちは近年のローファイ・ヒップホップ(Lo-Fi Hiphop)ムーブメントに日本以上に鋭敏に反応したのですが、その中でも代表的なものとしてYouTubeのコンピレーションなどで取り上げられることの多いアーティストだと思います。

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僕も最初に聴いた「Photograph」のメロウな印象が忘れられません。

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これを勤務中とか落ち着きたい時に聞くとくつろげて良いのですが、DJとしてかけるにはあまりにチルすぎなんですよね…。一度精神が終わっていた時にこの辺の曲をかけて大スベりしたことがあります。

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4. ROOM SERVICE / GroovyRoom, Leellamarz (2019)

ジャンル:HIPHOPR&B

リラマーズ(릴라말즈)は高学歴が多い韓国ラッパーの中でも際立った経歴の持ち主。バイオリニストとして幼少時から英才教育を受け、欧米各国で数々のコンクールを受賞していたのが、何を思ったかラッパーの登竜門『SHOW ME THE MONEY』第5期に出演し、その実力を認められます。その後、アメリカの音大を卒業したのを期に、2018年ごろから活発な音楽活動を始めたようです。

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ラッパーになって垢抜けたのか、曲もすかしたものが多いですね。

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本名のキム・ミンギョム(김민겸)で検索すると少年時代にコンクールに出た写真とか出てくる。このエリート少年が、

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こんな風に「グレて」しまうというのは面白いですね。

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3. THE OCEAN / Leebada (2019)

ジャンル:R&B

イ・バダ(이바다)も2018年ごろから活動を始め、昨年ごろからMVなどが出てくるようになりました。韓国の女性アーティストは圧倒的に顔が良いですね。

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メロウでダークな曲調に、彼女のハスキーボイスがよくマッチしています。

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彼女の名前(李バダ;This Ocean)にちなんで、アルバムの名前も海に関するものになっています。歌詞にもしばしば掛詞として登場していますね。

 

2. ZZZ / Zion.T (2018)

ジャンル:R&B

韓国のR&Bを語るにあたってはZion.Tという巨人の名前を欠かすことはできないでしょう。2013年に発表された『Red Light』の影響は絶大で、ラップと歌唱を組み合わせる、そのうち前者は男性ラッパーで後者は女性シンガー、といった韓国テン年代の音楽の方向性を決定づけたとも言われています。

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マジで楽曲のセンスがいいですね。声の使い方もとても上手いです。

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『Red Light』についてはいずれまとまった文章を書くとして、やはり2018年ごろから再び楽曲を盛んにリリースしています。『ZZZ』はそれらをまとめたもののようです。特に2曲目の「Hello Tutorial」(멋지게 인사하는 법「素敵にあいさつする方法」)はRed Velvetのスルギ(슬기)とのデュエットなのですが、YouTubeに公開されているムービーが可愛すぎて悶絶しちゃうので是非見てほしい。

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+α. BALLADS 1 / Joji

韓国ラッパーではないですが、アジア人枠ということで特別に紹介。ジョージ(Joji)はそのローマ字読みの名前が示す通り、日系オーストラリア人のアーティスト。2018年にデビューアルバム『BALLADS 1』をひっさげて彗星のごとく現れ、たちまち米ビルボードのアルバムチャート「Billboard200」で初登場2位、R&B/ヒップホップカテゴリでは1位という、アジア人としては防弾少年団以来の快挙を成し遂げました。

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ジャンルは大きな括りではR&Bになるようですが、ローファイを強く指向していることがわかります。曲調はダークでメランコリック、YouTubeでのコメント欄には「DEPRESSION」といった抑鬱気味の(しかし視聴をやめられない)反響が多く見られます。自分が最初に聴いたのは「SLOW DANCING IN THE DARK」だったのですが、このMVのインパクトたるや強烈なものでした。

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しかしこのジョージなる男、実は別の顔があって、それはフィルシー・フランク(Filthy Frank)またの名をピンク・ガイ(Pink Guy)という、登録者数1000万人以上、総再生数は20億を超えるYouTubeコメディアンなのです。Twitterで「セックス大好き」がバズった時からセンスを感じていましたが、まさかこれほどのスター歌手になるとは…驚きです。

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1. HALO / pH-1 (2019)

ジャンル:HIPHOP

そして最後の一枚。これはもう間違いない、pH-1の「HALO」でしょう。2018年の「Show Me The Money 777」で一躍ラッパー界のスターダムに上りつめ、優勝こそできなかったもののラッパーとしての実力を改めて見せつけました。「朱黄色(주황색)」はその時の曲です。 

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「改めて」と書いたのは、ジェイ・パーク(박재범)らとのコラボレーションを通して彼の名前はすでに知られていたからです。「iffy」は2017年の曲ですが、一時はYouTubeのリコメンドでめちゃくちゃ流れてくる状態になっていました。

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Spotifyにも例によってレコメンドされていたのですが、当初はなんか顔が好きになれなくて(?)積極的に聴いていなかったんです。ところが昨年リリースされた「HALO」を聴いてみると、これがアルバムとして非常によくできている。曲一つ一つとっても構成にメリハリが聴いており、かつスムーズで耳あたりが良い。

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韓国のアーティストには珍しくないことですが、彼もやはりアメリカでの滞在歴が長く、12歳の時に移住してからボストン大学修士(生物学)まで修めています。それゆえ彼の英語ラップと音楽センスはお墨付きというわけです。

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先にDPR LIVEについて書いたように、彼の書く歌詞も「モテる男」のそれです。いわゆるイケメンではないけど圧倒的にオシャレなんですね。調べてみるとこんな記事もあるし、やっぱりセンスがいいとモテるんでしょう。自分もこんな風になりたいですね。

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彼もやはりSoundCloudで初期のキャリアを形成しています。この世代の活躍には目を見張るものがあります。

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この記事を書いた人

最後に自分のことについて簡単にご紹介。Silloi(シロイ)、あるいはDJネームSil5(シロ)は、主に韓国のヒップホップやR&Bを中心に、数ヶ月に1回くらいDJとして活動しています。最近は先月27日に秋葉原で催された、弊社チームラボの忘年会で回しました。直近だと2月29日に渋谷のWhite Space LabでDJやります。もし興味を持ったらお声がけください、よろしくお願いいたします。