VDMXでCity Pop VJがしたい
VJ用のソフトウェアに VDMX というものがある。自分が知ってるVJやってる人は大体これ使ってる印象がある。
VJは SMTP++ #5 と #6 でそれぞれやったことがあり、その時は VDMX を買い切る決心がつかなかったのでサブスクリプション型の Kraken2 をとりあえず契約して使ったけど、機能が少なくてあんまり満足しなかった。
京都を離れた後も意外と DJ する機会が多く、その際 VJ もできるとよいなと思い始めた。大学生の時に学割で買っておけばよかったなと思っていたら、最近 VDMX5 がセールをやっていた。元々3月25日から4月24日までの予定だったが、5月24日まで延長になったらしい。
通常 399 ドルのところ、150 ドルがディスカウントで 249 ドル。これだけでも十分魅力的だが、もう一押し欲しい。
で、実は VDMX には学生割引と並んで starving artist discount(飢えに苦しむアーティスト割)というのがある。
Put your skills to work helping out the VDMX community and you can get a FULL license of VDMX5 for only $99 USD.
VDMX のコミュニティを助ける何らかの働きができることを示せば、この割引を受けられるという。この「VDMX のコミュニティを助ける何らかの働き」としては、以下のようなものが挙げられている。
- 2-5分程度のビデオチュートリアルを録画する
- 既存のチュートリアルを未翻訳の言語に翻訳する
- VDMX を使って取り組んでいるプロジェクトの詳細についてブログで文書化する
- 計画しているプロジェクトについてブログ記事を書き、達成されたらフォローアップする
- クリエイティブ・コモンズのサンプルムービーを作成する
- デモムービーにサウンドトラックを必要としている動画アーティストにオーディオループを提供する
ということで、自分ならどんな VJ をするかを考えていたのだけど、お風呂に浸かっていたら「City Pop VJ」というのが頭に浮かんだので、自分はこれで行こうと思った。
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シティポップについて簡単に説明しておくと、80年代およびその前後に日本語で歌われた、都市的な(そしてしばしば刹那的な)ムードを歌った歌謡曲(ポップソング)だ。代表的なアーティストとしては、竹内まりや、山下達郎、大滝詠一、杏里、角松敏生などが挙げられよう。
「シティポップ」という言葉は竹内まりや「プラスティック・ラブ」のリミックスが YouTube でバイラルヒットした Night Tempo とともに、ここ一年で日本でも広く知られるようになった。ただしシティ・ポップ、あるいは80/90年代における日本のポップソングを愛好するムーヴメントは、それ以前からYouTubeにおいて欧米を中心に存在していた(実際、そのような趣味から日本にやってきた白人男性と京都で知り合った経験がある)。
彼のように、シティポップに魅せられた者の中から、DJとして曲を紹介したり自分でリミックスを上げる者も現れた。しかしシティポップをビジュアルに取り扱う「City Pop VJ」は、管見の限りではまだいなさそうである。
シティポップのVJとはどういうことか。しばしば指摘されているように、シティポップはそれ自体一つのジャンルというよりは、先述したようなある種の「ムード」を帯びた楽曲の総称である。そのムード、すなわち都市生活や南国暮らしへの憧憬にはむしろビジュアルなものが先にあったはずだ。シティポップはむしろそれらを色づけるBGM的なものとして、リリースされた当時は受容されてきたのだろう。
そこで取り上げられるモチーフには、首都高速や高層ビル群、ネオンの夜景といった都市的なものや、ビーチや椰子の木、トロピカルドリンクといったパラダイスもの、あるいは80年代前後の日本アニメなど多様であり、しばしばグリッチや過剰なエフェクト、ぼかしやフィルターといった意図的な(といっても偶発性を装った)劣化を伴う(これもおそらく既に指摘済みかと思うが、これらの特徴はヴェイパーウェイヴと一部重複している)。何が言いたいかというと、VJ用の素材には事欠かないし、ソフトウェアを用いた即興的なパフォーマンスにも親和性が高い。
実際、自身のVJでも昭和の懐かCMや『うる星やつら』などのアニメを題材に取り上げていたことは、先に挙げたエントリの通りだ。おそらく私は、コンピュータグラフィックによる鮮鋭なビジュアルよりも、こうしたシティポップ的なビジュアルを好むらしい。
そしてそれこそ、City Pop VJ がVJパフォーマンスのニッチを満たしうる要件である。前に述べた通り、シティポップ的な、あるいはディスコティックな楽曲を提供するDJの人気は高まっている。しかし従来のVJパフォーマンスはそうした音楽にそれほどマッチしているわけではなく、現状そうしたDJに合わせたVJもあまりいないのでないか。そこで自身がその嚆矢として、自分がイメージするシティポップを表現するVJパフォーマンスをしてみたいと思う。それは自分がDJをしていて大滝詠一や中原めいこなどの楽曲を流していて感じた違和感を、おそらく解消するものであるはずだ。
My Project: City Pop VJ
The project I am planning is named "City Pop VJ", which serves visual performance that suits to City Pop.
City Pop, such as Plastic Love by Mariya Takeuchi, is a genre for 80s Japanese pop songs and the alternatives. The songs has some urban-life mood (that Japanese imagines), and is often associated with images such as night view of skyscrapers or city highway, scenery of tropical beach and a little bit old Japanese animations.
Recently Some DJ, such as Night Tempo, appears as a "City Pop DJ". However, VJ performances that we imagine is not so suite for the vintage, nostalgic songs, I guess. I prefer filtered, glitched and distorted films, rather than vivid, futuristic and cutting-edge visualization. So I planned VJ-ing that be in harmony with City Pop, on the next DJ/VJ event in Septenber or the after.
Here is more detailed blog post about this project (written in Japanese), where you can find some City Pop motifs I suppose. If you like this idea, let me get a license of VDMX for struggling artists price. Thank you.
追記
申請メール送ったら返信がきてディスカウント価格で購入できました。ありがとうございました!!!!
VDMX5手に入れました!ありがとうございます!!!! pic.twitter.com/nzzPEUqSIr
— ℒ𝒪𝒱ℰ 𝒦ℐ𝒩𝒢 (@silloi93) 2020年5月24日