PCD Tokyo 2020に参加してライブコーディングの裏側を見た
2月1日はProcessingのオープンコミュニティのイベント、PCD Tokyo 2020に行きました
Processing Community Day Tokyo 2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
2020年2月1日、Yahoo!Lodgeにて開催。https://t.co/FkxWhqjk3T#Processing #PCD2020 今日これに行きます
会場は紀尾井町にあるヤフー株式会社のイベントスペースです。
ヤフッ (@ ヤフー株式会社 in 千代田区, 東京都) https://t.co/wCAFv6o2It pic.twitter.com/Gg4qresE2W
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
早めに来たので書籍販売を見ていましたがどれも良さそう。
本見てる #PCD2020 pic.twitter.com/MktLfYc4Ht
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
最初の講演は建築デザイナーの杉原聡さんでした。建築学科を卒業する以外にも建築デザインに関われるキャリアパスが存在することを知って感動しました。
杉原 聡「Processingによる建築設計 - コンピュテーショナルデザインの実践」前田ジョンに憧れ、《インターネット物理モデル》を期に建築学修士を取りにUCLAへ進学、建築デザイン事務所に就職。影の最大化や建築コストとかも演算していてい面白い。困った時に自力でCAD作る話やばいと思った #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
二人目はアーティストの松本昭彦さんで、大学教養科目程度の知識がある自分には親しみやすい内容でした。
松本 昭彦「音楽とアルゴリズム ~歴史・テクノロジー・アート~」作曲にまつわる制約がゼロになりつつある現在、秩序のデザインとしてアルゴリズム作曲がある。新しい音楽の様式をジェネラティブに生成する技法が過去試みられてきたが、コンピュータは一瞬でできる。それを評価するのは人間。
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
#PCD2020
午前の部が終わると会場を追い出されて、戻ってきて待っていても始まらないなと思ったら会場が奥の別のスペースに移動してました。知らなかった…。
なんか始まらないなと思ったら会場ここじゃないらしいな? #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
午後のLTはこんな感じです。
永松歩「クリエイティブコーディングを仕事にする フリーランス編」openFrameworksを使ってクリエイティブの仕事をやっている。俺ームワークを作ると楽しくどんどん作れる。VJKitを作った、オープンソースに感謝しつつオープンコミュニティに貢献したい。キャリアは変換が効くが不可逆 #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
中村 陽菜「ProcessingとArduinoを用いて、取得された数値を材料に絵画を描く」卒業制作でデジタルインスタレーション作品を作るにあたり使用。センサーやプログラミングを用いて言葉を使わず体験を共有したかった。照度と超音波センサーを利用。データを取得して意識化し、形に落とし込む。
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
#PCD2020
安田 直樹「プログラミング初学者向けの,p5.jsを用いた弾幕プログラミングのすすめ」弾幕はジェネラティブアートに似ており、プログラミングを楽しく学ぶのに向いている。 作品を見て作って公開してフィードバックもらって次に生かそう。Processingで弾幕STGは作りやすいし楽しいので皆作ろう #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
M4Lでp5.jsを使う - P5.jsでサウンドツールのビジュアルを拡張する|Taito @Uctaito #note https://t.co/rkvPXOxomu
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
Taito Otani「p5.jsでサウンドデザインツールをビジュアルで拡張する」同人ゲームの楽曲やSEを作っている。サウンドデザインツールとはプラグインを挿して音作りができるツール。M4L(Max for Live)のIFとしてだけでなく、ツールを拡張するのにもp5.jsが使える。 機械学習ライブラリML5も注目 #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
@moxus「Kusabiというwebglベースのクリエイティブコーディングのためのソフトウエアを開発していることについて」KusabiとはThree.jsのライブラリ群とエディター/ビュワーのパッケージ。コードを書いたらファイルに出力されコンパイルされたJSコードでプレビュー。 問題意識を持って開発 #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
工藤麻祐子「障子に穴をあけてもいいよ」多摩美からケルン・メディア芸術大学、修士過程。障子に穴を開け、覗き見する体験を元に、ミニチュア障子のボタンを押すと実際の障子のプロジェクションマップに穴が開く。ARでの障子アニメーションも作った。インタラクティブな新ゲームを作りたい #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
最後にライブコーディングを見ました。
NEORT https://t.co/j7bD6PsqBd なるほど #PCD2020
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
チャット形式でライブコーディングしている様子見てる #PCD2020 pic.twitter.com/Bhcdhj3xKV
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
田所さんのパフォーマンスはやっぱり良かったです。
めちゃくちゃになってきた #PCD2020 pic.twitter.com/FzHfJg3Vdt
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
すでに良い #PCD2020 pic.twitter.com/5dSBTlaGnS
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
完全に良いですね #PCD2020 pic.twitter.com/YT53RUshvH
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
最後のは終わったあと遅延がインタラクションを起こして面白かったです。
※同じ部屋内です #PCD2020 pic.twitter.com/k4FJ7Wf50C
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
本は結局買いました。とりあえずSonic Piから始めたいですね。
最近つとに関心があったのでライブコーディングの本二冊買った #PCD2020 pic.twitter.com/8SjUmW9VfP
— 牛肉麺大王 (@silloi93) 2020年2月1日
2020年1月 支出振り返り
新年正月の出費です。
小計
食費 15,336円
激安でした。その理由は6日まで実家にいたことが大きいですが、昼にも外食をせず家から調理済み鶏胸肉を持ってきたりしたのも効いたと思います。
交際 15,017円
こちらも比較的抑えられました。飲んでないわけではないのですが勉強会などが多く、付き合いでの飲み会も2回くらいしかなかったですね。
文化 6,101円
これは楽曲の購入料だと思いますが意外と買ってますね。
健康 7,640円
ボルダリングに加えてジムにも通うようになりました。
交通 16,420円
神戸から東京に戻ってくる新幹線代が乗っています。
住居 72,000円
共益費をまとめて払ったのと、
書籍 1,300円
メルカリでBATICの参考書と問題集のセットを二つ買った分。
備消 6,131円
整髪剤を買ったりしました。
購読 2,724円
今までnoteの分しか計上してなかったのですが、SpotifyとNetflixの分を合わせたらこれくらいありました。
旅費 54,264円
これを予約するまでは出費15万とかだったんですが、最後に韓国旅行をポチッと予約したので一人分を計上しました。気合を入れて良いホテル取ってしまったし、案内料ちょっと欲しいな。
雑費 196円
Appleから謎の196円が取られていました。妹に買ってあげたAirPodの分かもしれない。
雑損 1,513円
消えた現金です。
総評
実家に滞在していたのもあり、正月にもかかわらず出費は意外と抑えられました。来月もこのペースで行けば20万は切ると思うのですが、韓国旅行で出費が予想されるのでわかんないですね。会社からのインセンティブがどれくらい出るかわかりませんが、この調子で安定した出費を目指します。
文学作品の末尾一文をツイートするTwitter bot作った
作りました。
twitter.com
冒頭をツイートするbotはすでにあったので、その逆を作りました。
本文データは青空文庫の野良APIからいい感じに取ってきて加工し、Google Spreadsheetsに格納しました。
自動ツイートはGASをIFTTTと連携して設定しました。
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2019年に聴いて良かった K-HIPHOP / R&B アルバム7選+α
あけましておめでとうとざいますシロイです。2019年のうちに書けばよかったネタがいくつかあるので放流していきます。
昨年は自分が聴きたい音楽が韓国のヒップホップやR&Bであることを自覚したので、移動中や仕事している時間を中心にいろいろな楽曲を聞くことができました。その中でも気に入ったものはずっと聴いていて、自分の場合はそれがアルバム単位であることが多いです。
そこで2019年特によく聴いていたアーティストのアルバムを紹介します。この中には日本語圏での情報がほとんどないレアものもあります。
7. Enchanted Propagannda / Jvcki Wai (2018)
ジャンル:HIPHOP
韓国のフィーメールラッパー、ジャッキー・ワイ(자키와이)の一番新しいアルバムです。最初に聴いたのはGIRIBOYプロデュースのDDING(띵)で、最初子供か何かが歌ってるのかと思ってアーティスト名で調べたら完全に好きな顔で卒倒しました。
声が特徴的なんでコラボしているのがちょうど良くて、このアルバムは全部彼女が歌っているんですが、さすがにちょっと聴いていてしんどいところはあります。『Exposure』とかSoundCloudに上がってるもう少し前の曲聴いてみるとそれほどクセ強くもなかったんで、ラッパーとして生き残るための戦略だったのかなあと思います。
日本への進出はLuteプロデュース、PARKGOLF作曲の「xaradise」ででしたが、ルーテ倒産しちゃいましたね…。とても残念。
6. Coming To You Live / DPR LIVE (2017)
ジャンル:HIPHOP
DPR LIVEの一番最近のアルバムです。DPRというグループがはじめにあって、DPR LIVEはそのうちの一人という立ち位置らしいです。「Martini Blue」とかは聴いたことある人もいるんじゃないでしょうか。
ここ数年のキーワードで「メロウ」というものがありますが、DPR LIVEはそのメロウを代表するアーティストだと思います。僕はこの「Jasmine」とか特に好きですね。
歌詞も切ないものが多いですね。切ないと言ってもbacknumberやOfficial髭男dismみたいな「モテない男」のキモい切なさじゃなくて、「モテる男」のサラッとした切なさなんですよね。女には困ってないけど、君のことは特別(であってほしい)、みたいな。
新しい気がするけど、このアルバムももう3年前。最近は目立った活動がないので寂しいですね。
5. boy. / offonoff
この流れからだと紹介しなきゃいけない(?)のはオフオンオフ(오프온오프)です。韓国のSoundCloud世代アーティストたちは近年のローファイ・ヒップホップ(Lo-Fi Hiphop)ムーブメントに日本以上に鋭敏に反応したのですが、その中でも代表的なものとしてYouTubeのコンピレーションなどで取り上げられることの多いアーティストだと思います。
僕も最初に聴いた「Photograph」のメロウな印象が忘れられません。
これを勤務中とか落ち着きたい時に聞くとくつろげて良いのですが、DJとしてかけるにはあまりにチルすぎなんですよね…。一度精神が終わっていた時にこの辺の曲をかけて大スベりしたことがあります。
4. ROOM SERVICE / GroovyRoom, Leellamarz (2019)
リラマーズ(릴라말즈)は高学歴が多い韓国ラッパーの中でも際立った経歴の持ち主。バイオリニストとして幼少時から英才教育を受け、欧米各国で数々のコンクールを受賞していたのが、何を思ったかラッパーの登竜門『SHOW ME THE MONEY』第5期に出演し、その実力を認められます。その後、アメリカの音大を卒業したのを期に、2018年ごろから活発な音楽活動を始めたようです。
ラッパーになって垢抜けたのか、曲もすかしたものが多いですね。
本名のキム・ミンギョム(김민겸)で検索すると少年時代にコンクールに出た写真とか出てくる。このエリート少年が、
こんな風に「グレて」しまうというのは面白いですね。
3. THE OCEAN / Leebada (2019)
ジャンル:R&B
イ・バダ(이바다)も2018年ごろから活動を始め、昨年ごろからMVなどが出てくるようになりました。韓国の女性アーティストは圧倒的に顔が良いですね。
メロウでダークな曲調に、彼女のハスキーボイスがよくマッチしています。
彼女の名前(李バダ;This Ocean)にちなんで、アルバムの名前も海に関するものになっています。歌詞にもしばしば掛詞として登場していますね。
2. ZZZ / Zion.T (2018)
ジャンル:R&B
韓国のR&Bを語るにあたってはZion.Tという巨人の名前を欠かすことはできないでしょう。2013年に発表された『Red Light』の影響は絶大で、ラップと歌唱を組み合わせる、そのうち前者は男性ラッパーで後者は女性シンガー、といった韓国テン年代の音楽の方向性を決定づけたとも言われています。
マジで楽曲のセンスがいいですね。声の使い方もとても上手いです。
『Red Light』についてはいずれまとまった文章を書くとして、やはり2018年ごろから再び楽曲を盛んにリリースしています。『ZZZ』はそれらをまとめたもののようです。特に2曲目の「Hello Tutorial」(멋지게 인사하는 법「素敵にあいさつする方法」)はRed Velvetのスルギ(슬기)とのデュエットなのですが、YouTubeに公開されているムービーが可愛すぎて悶絶しちゃうので是非見てほしい。
+α. BALLADS 1 / Joji
韓国ラッパーではないですが、アジア人枠ということで特別に紹介。ジョージ(Joji)はそのローマ字読みの名前が示す通り、日系オーストラリア人のアーティスト。2018年にデビューアルバム『BALLADS 1』をひっさげて彗星のごとく現れ、たちまち米ビルボードのアルバムチャート「Billboard200」で初登場2位、R&B/ヒップホップカテゴリでは1位という、アジア人としては防弾少年団以来の快挙を成し遂げました。
ジャンルは大きな括りではR&Bになるようですが、ローファイを強く指向していることがわかります。曲調はダークでメランコリック、YouTubeでのコメント欄には「DEPRESSION」といった抑鬱気味の(しかし視聴をやめられない)反響が多く見られます。自分が最初に聴いたのは「SLOW DANCING IN THE DARK」だったのですが、このMVのインパクトたるや強烈なものでした。
しかしこのジョージなる男、実は別の顔があって、それはフィルシー・フランク(Filthy Frank)またの名をピンク・ガイ(Pink Guy)という、登録者数1000万人以上、総再生数は20億を超えるYouTubeコメディアンなのです。Twitterで「セックス大好き」がバズった時からセンスを感じていましたが、まさかこれほどのスター歌手になるとは…驚きです。
1. HALO / pH-1 (2019)
ジャンル:HIPHOP
そして最後の一枚。これはもう間違いない、pH-1の「HALO」でしょう。2018年の「Show Me The Money 777」で一躍ラッパー界のスターダムに上りつめ、優勝こそできなかったもののラッパーとしての実力を改めて見せつけました。「朱黄色(주황색)」はその時の曲です。
「改めて」と書いたのは、ジェイ・パーク(박재범)らとのコラボレーションを通して彼の名前はすでに知られていたからです。「iffy」は2017年の曲ですが、一時はYouTubeのリコメンドでめちゃくちゃ流れてくる状態になっていました。
Spotifyにも例によってレコメンドされていたのですが、当初はなんか顔が好きになれなくて(?)積極的に聴いていなかったんです。ところが昨年リリースされた「HALO」を聴いてみると、これがアルバムとして非常によくできている。曲一つ一つとっても構成にメリハリが聴いており、かつスムーズで耳あたりが良い。
韓国のアーティストには珍しくないことですが、彼もやはりアメリカでの滞在歴が長く、12歳の時に移住してからボストン大学を修士(生物学)まで修めています。それゆえ彼の英語ラップと音楽センスはお墨付きというわけです。
先にDPR LIVEについて書いたように、彼の書く歌詞も「モテる男」のそれです。いわゆるイケメンではないけど圧倒的にオシャレなんですね。調べてみるとこんな記事もあるし、やっぱりセンスがいいとモテるんでしょう。自分もこんな風になりたいですね。
彼もやはりSoundCloudで初期のキャリアを形成しています。この世代の活躍には目を見張るものがあります。
この記事を書いた人
最後に自分のことについて簡単にご紹介。Silloi(シロイ)、あるいはDJネームSil5(シロ)は、主に韓国のヒップホップやR&Bを中心に、数ヶ月に1回くらいDJとして活動しています。最近は先月27日に秋葉原で催された、弊社チームラボの忘年会で回しました。直近だと2月29日に渋谷のWhite Space LabでDJやります。もし興味を持ったらお声がけください、よろしくお願いいたします。
2019年12月 出費振り返り
2019年最後の年の出費です。
内訳
食費 53,451円
このうち25,000円はふるさと納税なので、実質3万円切ってて意外と安上がりになった。
交際費 43,308円
これも金沢旅行の分を含んでいることを考えると割安。
健康増進費 4,950円
ボルダリング行った分です。
交通費 29,770円
新幹線代と金沢旅行の分が含まれている。
住居費 59,800円
共益費が高い。
書籍代 5,750円
これはミスってて最後に買ったPythonのファイナンスの本が1000円低く入力されてました。
備品消耗品費 6,139円
なんか買ってたっぽい。
医療費 12,557円
薬代と散髪代とコンタクトレンズ代。
雑費 2,049円
消えたポイント分。
雑損 10,311円
クレカの精算で生じたもの。
総括
年末にしては意外と抑えられたと思います。
来年も頑張りましょう。
ヒゲ脱毛 3回目後
ヒゲ脱毛3回目を12月5日に受けたました。その途中経過です。
正面です。ヒゲを最後に剃ってから3日目です。先日忘年会に行ったら「肌きれいになった?」と言われました。
下から見た図です。稜が根深いらしくて再び生えてきています。
次回は1月10日です。
《ちいさめ借家怪獣アパートン》における固有名の機能、あるいはテセウスのパラドックスについて
北千住BUoYにて上演された、かまどキッチン《ちいさめ借家怪獣アパートン》(児玉健吾)を観劇してきた。
【舞台写真公開】
— かまどキッチン (@kmd_k_) 2019年12月13日
かまどキッチン『ちいさめ借家怪獣アパートン』スタートしました。
本日から三日間、残り5ステージ。夜の回からはアフタートークもございます。会場は北千住BUoYです。みなさまのご来場、お待ちしております!
🗺詳細https://t.co/gLd3XDxfw6
🎫予約https://t.co/ecoOS4FjGD pic.twitter.com/cLiMghhqYB
切り口はいくつもあると思うが、自分は生まれ変わったキャラクターをめぐるやりとりにふと「ヘラクレイトスの川」という寓話を思い出した。
我々はある川を指してそれが何々川であると言うが、しかし川に流れる水そのものは常に移り変わっている。すなわちそれは要素としては常に同じものでないにもかかわらず、どうして同じ川だと言うことができるのか。あるいはそれが可能だとして、どこまでが同じ川でどこからが違う川なのか、というのがそれである。こうした問題は船の材木における同様の議論の名を取って「テセウスのパラドックス」と呼ばれる。
逆に言うとこのような固有名が、いわば川の流れに対する錨となって、その建物の同一性を繋ぎ留めているとも言える。ただし演技の上では両者は同一の役者に演じられることによって、そのような固有性が担保されている。たとえば「町山」と呼ばれる中華料理店は、「ジャスコ町山店」となった後もその名を留めることによって、引き続き彼との連続線上にあるものとして他の登場人物たちに受け入れられることになる。
なおこの観点からすれば、「ジャスコ町山店」となった「町山」はかろうじてその同一性を保持しているが、「タワーさん」となった「灯台さん」はもはやアイデンティティを喪失していることになる。実際、「町山」は「ジャスコ町山店」となった後も適応した生活を送っていたのに対し、「タワーさん」は次第に精神薄弱となっていき、終幕直前にはほとんど自我喪失の状態に陥っていたが、そのことは固有名に起因するアイデンティティ拡散の事態をよく示している*1。
ここに本作品のトリックタワーである「ねこさん」の特異な役割がある。というのも他の登場人物とは異なり、「ねこ」はあくまでその場しのぎで捏造された、結局のところ自分から言い出した名前にすぎなかった*2
それが終幕直前のクライマックスにおいて「フーイドン」という名前が明かされる、あるいはその瞬間にはじめて固有名が与えられる。周知の通り「ドン」はそれが怪獣の一種であることを示す名前であるから*3、ここにおいて彼女もまた怪獣のほかにはありえないことが確定的となる。
ここに、成人していずれ王の実父を殺すだろうという宣託を受け生まれてきたオイディプスが、巡り巡って予言通りに父親を殺してしまうのに等しいカタルシスがあったと思う。つまり風を起こして街を盛り上げようとする彼女は、その意志に反して(あるいは自ら抱いた疑念の通りにやはり)怪獣であったというわけだ。
しかし名付けが時に無邪気な暴力であったように、彼女は何らかの思惑があって自らの暮らしを破壊しようとしたのではなかった。だいいち彼女がやってきた時点で街はすでに破壊されていたのであり、彼女が名もなき怪獣から生まれてきたことに必然性がなかったのと同様に、彼女が怪獣として振る舞(ってしま)うことにはやはり理由がない。結局彼女は街を出ることになるが、この固有名という根源的暴力のために(それが暴かれる可能性=アイデンティティが存する限りにおいて)、彼女が旅先でもやはり同様の“破壊”を起こしてしまうだろうことを我々は察している——より個人的には、私や児玉が自らのシェアハウス暮らしを通じて、そこが彼女のような「トリックスター」を住人として時に迎え入れては送り出していく場であることを経験的に「知っている」。
これに対し、開幕当初より周囲から「アパートメントさん」と呼ばれていながら、クライマックスにおいてやはり怪獣の名を持つことが明かされる「アパートン」の立ち位置は微妙である。ここには児玉がシェアハウス暮らしを出発点としたことによる、自己定義の不可能性という困難さがあったものと想像する。つまるところ主体は主体それ自身を見ることはできず、自己を映し出す「鏡」を必要とする。その実験的試みが、微視的には自身がキャラクターの作演出を務める《閉じられた》芝居であり、巨視的には自らがその中に住まうシェアハウスという《開かれた》舞台装置なのではないか。