TikTokで動画2本がバズったことに対する覚書

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昨晩、渋谷でスーパークレイジー君こと西本誠・東京都知事候補の街頭演説を見て動画に撮ったので、帰りの電車でTikTokに上げておいたら翌朝2, 3000回再生いっていた。

このときTikTokの他の動画もザッピングしてみるといくつかのバイラルソング、例えばPsyの「Gentleman」が流行っているらしかったので、2月の韓国旅行で撮った同曲のダンス動画を「#腰振りダンス」のハッシュタグをつけてアップロードしたところ、こちらも一時間で1000再生を軽く超えた。

そしてスーパークレイジー君も超えた。

結果的には26日0時現在どちらも数十万回再生に達している。これはバズが起こりやすいTikTokでもそれなりにバイラルな方に入るらしく、TikTokから以下のような特別インビテーションまで届いた。

TwitterYouTubeに続きTikTokもバズったので、動画コンテンツ主体のSNSはだいたい制覇したことになる(Instagramを除く)。

silloi.hatenablog.com

さて、バズった過程でフォロワーも1日で1000人以上増えたのだが(これは自分の数年来のTwitterフォロワー数を軽くしのぐ)、フォロワーやコメントしてくるユーザー層には自分が従来利用してきたSNS、特にTwitterとはかなり異質だと感じたので、そのことを本エントリでメモしておく。

十代女性の投稿者が目立つ

 

これは多くの説明を要しないだろう。おそらく人々のイメージ通り、TikTokには十代後半から二十歳にかけての女性ユーザーが多い。それだけでなく、将来その層を形成するであろう十歳前後の女子児童もTikTokのユーザーに含まれている。彼らの中からトレンドに合わせて自身の動画を上げる者も現れるが、これが後述の理由によりユーザーによって歓迎される音で比較的簡単にバズる。このような好循環により十代女性による動画が、少なくとも日本のTikTokでは主なコンテンツとなっている。

規制されない程度の微エロ要素

こうしたコンテンツを消費する層は、やはり男性ユーザーによって主に構成されている。しかし他のSNSとおそらく異なるであろうことは、彼らの年齢層もまた十代と比較的に低いことだ。もちろん動画と違って彼らユーザーの年齢を直接確認できたわけではないが、性的好奇心を無邪気に述べるコメントからは彼らがそうした興味を持ち出す年齢、すなわち中学生かあるいは小学校高学年であることが容易に察せられる。そして彼らのようなユーザーにとって、若い女性の胸や下半身といったコンテンツが消費の対象になっている。従来のSNSと同様に、こうしたコメントや「いいね」が数字に変換される限りにおいて、こうしたユーザー層の存在は前述の投稿者層に承認を与え、ますます動画を投下するよう促進している。

アジアを中心とするユーザー層

こうした状況は少なくとも日本語圏において確認されたが、TikTokのユーザー層は日本だけではない。私のアップロードした動画、特に韓国で撮影した動画については、まず日本語圏でバズが生じたあと、まず韓国語、続いて中国語(簡体字繁体字とも)など東アジアからのコメントが増え、さらにラテン文字による言語(インドネシアか?)やアラビア語インドネシアやマレーシアと思われる)と東南アジアに広がっていき、最終的にはロシア語のユーザー名やラテン系に見える女性のアイコンまで見られるようになった。投稿自体は日本語で、ハッシュタグに韓国語や英語を含む程度だったのに、ここまで世界各地のユーザーに動画が届けられることは、TwitterFacebookなど他のSNSではめったに起こらないのではないか。

曲とテーマの組み合わせ

このような強力な拡散を後押ししているのが、こうした言語圏をまたぐいくつかの動画トレンドの存在である。トレンドにはいくつかの種類があるが、バイラルソングと一定の振り付けを組み合わせたものが強力に作用する。バイラルソングには中国語や韓国語のタイトルがついているものが多く見られ、その多くがいわゆるEDM(ハウス、トラップなど)である。今回の動画で使われた「Gentleman」もその一つであるが、曲自体は数年前にバイラルヒットしたものである。そして振り付けは単なるダンスだけでなく、体操(微エロ要素を含む)や文字・スタンプを利用した手振り(質問回答系)、さらには顔芸や体芸など人目を引きつけるあらゆる身振りが対象となりうる。これらの中で言語による要素が少ないものほど、当然ではあるが国際的にバイラルするポテンシャルが高くなるようだ。

以上、とりあえずバズってすぐに感じられたものについて簡単に考察した。ここから第二第三の矢を放ってバズが継起するかは今のところなんとも言えないが、ともかくも面白い体験にはなったので今後も観察を続けていきたい。