YAPC::Tokyo 2019 にボランティアとして参加したらそこは巨大なオフ会だった

1月25日から27日にかけて東京に滞在し、YAPC::Tokyo 2019 にボランティアとして参加しました。懇親会で美味しい料理を食べたり、仕事の合間に勉強になる発表を聞くことができましたが、知っている人が多かったので巨大なオフ会に参加している気分になりました。このような「お祭り感」を初参加者でも味わうには、やはりボランティアとして参加するのが一番よいと思います。

いきさつ

年末に突然YAPCのボランティアスタッフに応募しました。

どういう経緯かというと、ウェッパや忘年会で会話したり一緒に歌ったりしていたかるぱねるらid:karupanerura)さんがボランティアスタッフを募集していて、YAPCについては去年はてなの人たちが楽しそうにしていたので行ってみたいなあと思っていたので、Perl全然書けない自分でもタダで参加できるんだラッキー!と考えたからです。

前日

仕事

25日の朝、夜行バスで東京に着いて企業面接を終えたあと、少し遅れて前日の準備に参加しました。一緒に参加しようなと言っていたにゃんこさんや、後からPasta-Kid:Pasta-K)くんやpapixid:papix)さんが集合場所に来て安心感が出てきました。この日はノベルティの検品とダンボールを開封してバッグに詰めるという仕事を流れ作業でやっていて、全部詰めるのかと思ったら参加者の人数に達したので、進捗率が67%から突然100%になったみたいな感じになり喜びがありました。

宿

準備が早く済み前夜祭まで少し時間があったので、その間に宿として取っていたゲストハウスにチェックインしました。狭い空間に外国人たちが収容されているみたいな空間でこの時は失敗したなと思いましたが、結果としてはそんなに悪くなかったと思います。でも次からはカプセルホテル以上にしたい。

前夜祭

前夜祭は吉祥寺.pmによるイベントとして行われました。

passmarket.yahoo.co.jp

前夜祭なので軽めの内容かと思ったら全員がっつりコード書きますなLTだったので少し面食らいました。Pasta-Kくんに求職LTやりなよと言われていたけどやらなくて良かった。食事は軽食と聞いていたのですが中身はかなり豪勢で、彩りが華やかだったので基本そちらに心を奪われていました。友人知人たちは前夜祭からほとんど参加していておしゃべりができたのと、あとどこかで見たことあるおじさんがいると思ったらdankogaiid:dankogai)さんだったりして面白かったです。

キャビアとフォアグラを口にできたのが一番の成果だったと思います。

二次会でビールをたくさん飲みました。その結果、ゲストハウスで腕時計をなくしました。

当日

仕事

スタッフは朝8:45に集合という過酷な条件の中、僕は4:30とかに目覚めてしまったので、難なく到着に成功することができました。

僕の役割は場所とか特に決まっていなかったので、最初は展示の設営などをしていて、開始の前に看板を持って誘導係をしていました。僕は衣服を脱ぎ着するのが嫌いなので、半袖Tシャツのユニフォームのまま外で立っていたら、知ってる人に会うたびに寒そうと言われました。

仕事の合間には今半という高いすき焼きで有名らしい店のお弁当が出ました。美味です。

発表

上のような展示や撤収の仕事が主だったので発表の間は特に仕事がなくて、そのことに気づいてからは発表を聞きに行けるようになりました。もともとPerlを書いていたけど最近は違う言語を書いている、あるいは最近になってPerlを触るようになったという発表者が、他の言語を介してPerlにアプローチする、という発表が多かったように記憶しています。

例えばonkid:onk)さんの発表はPerlで動いているWebアプリケーションにRailsの手法や構造を載せていくというもので、僕もRailsなら少しわかるので自分が携わっているサービスの中身がようやく少し理解できました。

この発表は1週間前にRails Follo-up Kyotoで出た名前がそのままタイトルになっていたので笑いました。

印象的だったのはsongmuid:songmu)さんの発表で、実際ベストスピーカー賞を受賞されていました。

社内のTGIFの席で一度話したときに、凄腕プログラマーと聞いていた前評判も相まって、技術の面においてすごく厳つい人なんだなあと恐れをなしていたのですが、発表の中で今の職位に至るまでの話を聞いて、あれらの厳しい言葉は技術とプレゼンスの向上において、可能なあらゆる手を尽くしてきた経験から来るものだったのだなと腑に落ちるものがありました。こうしてエントリを書いたりLTをやったりすることは無駄にならないと勇気づけてくれる、そんな発表でした。

そして、Perl書けない自分でもできそう!と思わせてくれたのはhitode909id:hitode909)さんのWebVRについての発表でした。

blog.sushi.money

発表それ自体の面白さももちろんありますが、WebVRという題材も非常に興味深くて、それがA-Frameというフレームワークを使うと、本当にHTMLで三次元空間が書けてしまうのがすごいと思いました。

備忘録としていくつかの参考ページを置いておきます。

developer.mozilla.org

liginc.co.jp

qiita.com

VR夢日記は結局会場で見れてないんですけど、僕もOculus Goを買ってから死蔵していたので、役に立たないけど面白いものを何か作って試してみたいと思いました。なんてったって僕はInsta 360 ONE Xという名の全天球カメラを持っているんですからね(これも死蔵している)。それはそれとしてジェネラティブ・アートをProcessingで作るのは興味あるのでこっちも読みたい。

[普及版]ジェネラティブ・アート―Processingによる実践ガイド

[普及版]ジェネラティブ・アート―Processingによる実践ガイド

 

懇親会

クロージングで集合写真を撮ったあと、懇親会ではsongmuさんを胴上げしたり、無限に出てくるアルコールを飲んだりしました。

上に挙げた発表もはてなの社員ばかりになってしまいましたが、懇親会の場でも社員の方々とこの日のことについてわいわい話しました。それからKMCの部員やOBの方々とも再会したのと、「ヤバイ就活生」のkondoyukoid:kondoyuko)さんとも初めて喋ったりすることができました。

懇親会終了後はスタッフで二次会に行きました。無限にチャーハンと唐揚げが出てきて普通に食べ切れませんでした。この場ではインターネット各企業の裏話が聞けたのが色々面白かったです。

そんなわけで体力はまだあったのですがゲストハウスに帰って一晩眠りました。翌朝昨日の弁当を食べながら、そういや腕時計なくしてたなと思って受付の人に聞いてみたら、5分後くらいに昨日届け出られていた腕時計が返ってきました。よかったね。

YAPCという名の巨大なオフ会について

 

YAPCに参加した当日の僕の感想は以上の通りで、各々の発表内容に関しては発表者のスライドや他のブログを当たってもらうとして、僕はYAPCというイベントの「お祭り」的側面、特に「オフ会」として大規模なものであることについて、少しだけ言及しておきます。

オンラインでの交流を補うものとしての「オフ会」すなわちオフライン・ミーティングはパソコン通信の時代から行われていて、僕の指導教員の教授なんかはそういう研究をしていたわけですが、Perlという歴史あるプログラミング言語、それも通信技術やWebサービスに使われてきた言語においては特に、このようなオフラインでの交流が不可欠とは言わないまでも、あったら楽しいし良いことがあるものとして、半ば意図的に習慣化されているのだなと感じます。去年参加したPyCon JPなんかも「コミュニティ」としての側面は変わらないはずなんですが、やはりYAPCと比べると毛並みが違っていて、YAPCは技術者のコミュニティというよりは「インターネットが好きな人たちの巨大なオフ会」という表現がやはりしっくり来ます。

階級闘争をやっている知人のツイートを見ていてふと思ったことなのですが、ストとか団交(団体交渉のこと)といったうちの大学ではおなじみの現象が、プログラムエンジニアから出てくることはちょっと想像がつかないです。代わりにもてはやされるのは退職エントリみたいな表現物で(最近も某巨大グループに関する記事がありました)、要は職種の中で流動性がめっちゃあるので組織と闘争する意義があんまりないんですね。その点でプログラマは現代の傭兵であるという主張はしっくりくるもので、YAPCのようなカンファレンスは彼らの技術力を高める場であるとともに、巨大な「オフ会」として彼ら同士の情報交換の場をも提供しているんですね。DQの「ルイーダの酒場」みたいな感じかな?(適当)

そのような側面は差し置いても、インターネットが好きな人であればYAPCは楽しいイベントになると思います。いくらかインターネット有名人に詳しければ、彼らに会っておしゃべりができるかもしれません。とはいえ対面でいきなり声を掛けるのは気が引けるでしょう。そんな方にはボランティアとしてこの巨大な「オフ会」に参加することをおすすめします。最後にこのようなかたちでYAPC::Tokyo 2019に参加するきっかけを与えていただき、会期中も何度かお気遣いの声をかけをいただいたかるぱねるらid:karupanerura)さんに改めて感謝いたします。

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