基本情報技術者試験に合格したので自分の学習過程を振り返る
このエントリについて
去る10月21日に実施された平成30年度秋期 基本情報技術者試験を受験し、結果合格しましたので自分のやった勉強を振り返ります。学習期間は一ヶ月と少し、教材は主に過去問道場と表計算の参考書一冊のみです。
ご報告が遅れましたが基情合格してました pic.twitter.com/G4XsWNDPEI
— 442 鐘佑 종우 (@silloi93) November 21, 2018
私について
学習内容について書く前に、私自身のことについて軽く紹介しておきます。
こんにちはid:silloiです。京都で大学院生をしています。
現在は社会学の質的研究をしていますが、学部では放射化学を専攻し、卒論のテーマは福島原発事故による汚染物質の調査でした。
二年前から株式会社はてなで企画職のアルバイトをしています。非エンジニアなのでコードは書きませんが、Googleの各種分析ツールを用いたアクセス解析なども最近はしています。
サークルは現在おもに京大マイコンクラブ(KMC)に所属しています。部員には基本情報技術者試験よりも応用情報技術者試験を受ける人が多い印象です。
近年受けた資格試験とその結果としては、二年前の秋に甲種危険物取扱者試験を受け合格、去年の夏には第1種放射線取扱主任者試験を受け不合格でした。いずれも学部時代に勉強した内容が学習の基礎になっており、後者はその枠に収まらない「法令」分野で基準点を切りました。
したがって今回の試験も学部生の時に受けた情報技術の講義や、業務におけるスプレッドシート取り扱いの経験・知識を元手に、足りない知識を補って対策すればいけるんじゃないかと思い、友人の受験申込に乗じて申し込んだのが8月ごろのことになります。
学習教材
そういうわけで、対策のための教材はコンパクトに絞りました。まず一つは基本情報技術者試験ドットコム、その中でも特に過去問道場です。
このサイトには各回の過去問や掲示板など、基本情報技術者試験に関する情報が集積されていて、おそらく受験者のほとんどが参照していると思うのですが、一番利用されているであろうサービスが過去問道場です。指定した条件の中から過去問をランダムに一問一答形式で出してくれる非常にありがたいツールで、利用はもちろん無料です。すでに資格を取得済みのKMCの部員から「午前問題は過去問道場をひたすら解いていればよい」と聞いていたので、安心して解き続けました。
もう一つは表計算問題の参考書で、何冊か出ていますが最近出版された次の本にしました。
過去問道場ばかりしていたので午後問題の対策ができておらず、言語問題は少しく経験もある表計算に決めていたとはいえ実際の問題を一度も見たことがなかったので、試験まで一週間を切ってそろそろ勉強をしないとと思い、上掲の本を注文して届いたのが試験5日前になります。
学習過程
過去問道場には成績レポートという機能があるのですが、KMCのSlackにスクリーンショットをこまめに上げてたので、それらを参考に学習過程を振り返ります。
9月17日(試験まで34日) 学習開始
申込からしばらく経ち、そろそろ勉強を始めた方がよいなと思い立ったのが9月も後半に入ったころで、この時ようやくアカウントを作成したようです。9月17日から開催されたPyCon JP 2018の開場を待つ間、過去問道場をポチポチやっていた記憶があります。
9月29日(試験まで22日) 合格基準に達し始める
150問を解いた時点。このころ成績レポートの便利さに気づいたようです。正解率は累積ですが着実に伸びており、合格基準の6割に近づいているのがわかります。また、いずれの分野も6割にはまだ達していませんでした。
個別の問題分類で見ると、テクノロジ系のうち基礎理論やコンピュータシステム、開発技術あたりに数理的な考え方や未知の内容を問う問題があり、苦戦しているものの解ける問題も多く健闘しています。計算問題がいくつか出てきますが、高校化学のモル計算ほど難しくもありません。この時点ではストラテジ系が最も低い正答率となっています。
10月4日(試験まで17日) 全体の正解率が6割を超す
この間LINEのハッカソンなどがあり関心が一時逸れるのですが、もう100問ほど解いた時点で全体の正解率が6割を超えました。これは累積の値で、最初のうちは不正解が多かったことを考慮すると、この時点ですでに十分な力はついていたのかもしれません。
前回最も正答率の低かったストラテジ系は、システム戦略や経営戦略、そして企業と法務というコンサルっぽい内容の分野なのですが、これらは覚えたらしまいなので如実に点数が伸びています。テクノロジ系も着実に力はついているようです。一方のマネジメント系はなんと正答率が下がっています。プロジェクトマネジメントとサービスマネジメントの二つに分かれるのですが、このうち前者が出題数自体少ないのもあり、十分に対策できていない印象です。
10月7日(試験まで14日) すべての分野で正答率が6割を超す
もう50問解いたところで自信を覚え始めました。いま見返してみるとマネジメント系が前回から一度も誤答していませんね。ストラテジ系はまだまだ伸びます。テクノロジ系も順調に数をこなしてきたようでした。
10月16日(試験まで5日) 表計算の参考書が届く
その後も過去問道場は続けているのですが、試験を一週間後に控え、そろそろ午後問題にも手をつけなければという気持ちになってきます。基本情報技術者試験ドットコムで午後問題の過去問も見れるので、これを解いてみるものの意外と難しいぞと焦り始めます。言語問題などは恐ろしくてみる気にもならず、Amazonで表計算の良さそうな参考本を調べ出し、注文して届いたのが5日前。急ピッチで本を読み、対策を進めようとするものの、その間に結婚パーティーや教職採用試験などもあり、結局問題を解け切らないまま試験前日を終えます。模擬試験も最後までやることはありませんでした。
10月21日(試験当日)での成績レポート
テクノロジ系は統計が溜まり、6割3分台で正解率が落ち着きました。マネジメント系はやはり渋いですが、累計の値であることを考えると6割程度は取れそうです。ストラテジ系は累計で7割近くに達しています。最後に一応言及しておくと学習時間はほったらかしにしていた時間も含むのであまり当てになりません(350時間も勉強していないと思う)。
受験
さて試験当日です。会場は京都女子大学の一校舎でした。受験者層としてはやはり大学生くらいの男性が多く、教室内はいくらか空席が目立ちました。
午前
時間は十分にあり、問題も解き慣れていたので、一時間以上余りました。そこで見直しがてら、確実な問題を1、合ってるかどうか確信が持てない問題を0.5として、それらしき最低点数を見積もってみたところ、60点台半ばとなったのを確認して一たび安心します。
午後
問1は難なく解いたものの、次の選択問題がいずれも難しい気がして、どうしたものかと悩みました。必須のアルゴリズム問題に手間取って小一時間消費してしまい、表計算問題も半信半疑でマークを埋めることになってしまいました。とりあえず一とおり解答はしたものの、6割に達している自信がないまま会場を後にしました。飲みたい気分だったので崇仁新町で串カツとビール飲んでから帰りました。
本日これにて終業です pic.twitter.com/bdFyANZ3iS
— 442 鐘佑 종우 (@silloi93) October 21, 2018
自己採点
試験日のすぐ晩には公式で正答が公開されます。また同じころに各社が自己採点システムを提供し始めるので、自分はアイテックの自動採点を利用しました。
まずもって午後問題です。最初50点台が出て凹むんですが言語問題のチェックし忘れで、再び解答し直すと63.50という点数が出ました。ここでガッツポーズです。
採点よく確認していないんですが、思ったより偏りなく点数が取れていたイメージです。
つづいて午後の方もいちおう採点してみると、こちらは7割を超えていました。これで枕を高くして寝られます。
合格発表
そしてそれから一ヶ月後、合格発表です。
まずは合格者受験番号を見ました。入学試験みたいで緊張しますね。自分の番号は…ありました。合格です。
つづいて家で受験票を確認し、成績を照会します。その結果が最初に掲げたツイートとなります。
ご報告が遅れましたが基情合格してました pic.twitter.com/G4XsWNDPEI
— 442 鐘佑 종우 (@silloi93) November 21, 2018
驚いたのは午後問題が72.5点と、自動採点から9点も上がっていることなんですね。午前問題と全く同じ点数なので表示のミスかとも思いましたが、合格していることには変わりないようなのでこれ以上は深く考えないようにしましょう。
まとめ
ここまで読んだ方はよっぽどの心配性なのだと思われますので、最後に基礎情報技術者試験合格のために必要な要素をまとめると、だいたい次のようになるのではないでしょうか。
- 情報技術にまつわる基本的な知識
- 過去問を解くことで得られる知識
- 言語や表計算に関する知識や技能
そしてこれらの要素のうち、一つ目が
- 日頃の業務経験や講義・書物に基づく知識
として達成されていれば、あとは
- 過去問道場
- 言語問題の参考書
の二つを繰り返しやれば一ヶ月で十分間に合いそうです。
とにかく過去問道場は便利なので最初はこればかりやっておき、正答率の低い分野は個別に勉強するみたいなかたちで、まずは「習うより慣れろ」でやるのがよいかと思います。おしまい。